まだ歯科技工士で消耗してるの?歯科技工士を辞めた方がいい3つの理由

まだ歯科技工士で消耗してるの?

歯形の模型ども。

【元】歯科技工士 の”だりーが”です。

え、何?歯科・・・技工士?

ナンだそれは?とお思いの方もいらっしゃると思います。

ノッケから気持ち悪い写真でスミマセン。この写真に気持ち悪さを感じない・・・

私は【元】歯科技工士なのです。私は歯科医師でもなく、歯科衛生士でもなく、

歯科技工士

(※以下、略して技工士)

という職についたことがあります。

〜士、と付く職業といえば、

弁護士、会計士、税理士、行政書士、保育士、消防士、・・・

などなど、専門知識を活かした職業を思い浮かべると思います。

給料もそこそこ、良さげなイメージを持たれるのではないでしょうか?

しかし、私は今、それとは全く関係のない職についています。

今は林業に従事しています。

そんな林業も・・・どーだろね?

『林業の仕事はいいぞ!』の言葉に世代間の価値観の違いがあった話。

歯科技工士を辞めた方がいい3つの理由

眠る時間がない!

眠っている天使の像の写真

人間の三大欲求の一つである睡眠欲が満たされないのです。

これは、体力的・精神的にもかなりキツイです。

世間には同じように夜遅くまで働いて、寝不足の方も数多くいらっしゃると思われますが・・・

毎日残業は当たり前で、夜中12時上がりは早い方でした。家に帰ってもほぼ寝るだけの生活。平均睡眠時間は3〜4時間/日。

就寝前に食べる、仕事も座りっぱなし、意識的に休日に運動をしないと健康にもよくありません。しかし、休日は日頃の疲労から出歩くのもままならない。

悪循環です。

患者さんの都合に合わせるので、休日出勤もよくありました。

そんな仕事環境で、私の友人は寝不足から通勤途中に事故を起こしてしまいました。入院で収入も途絶える・・・最悪ですね。

まあ、とにかく技工士には

眠る時間がない!のです。

給料が安い!

一万円札の写真

『眠る時間がないと言っても、その分残業しているのだからそれなりに給料がいいんでしょ?だったら頑張らないとダメでしょ?』

っていう声が聞こえてきそうですが、実際のところそうでもないんですよね、これが・・・

”歯科医師”は儲かってそうなのは分かると思いますが。

しかし、最近はコンビニよりも歯科医院が多くて、歯科医師があふれて儲からないようです。

技工士はその【下請け】の立場にあります。

職場としては【歯科医院】か、【歯科技工所】という所に務めることになります。技術を磨いて腕をあげれば、独立して【歯科技工所】を開設することも可能です。そうなれば、もちろん人にもよりますが年収1000万円ほどを稼ぐことができる人もいると思います。

しかし、所詮は歯科医師の【下請け】。先生には逆らえません。なかなか思うようにはいかないのが現状です。

上手く軌道に乗って開業できたとしたら収入は増えるでしょうけど、その反面、眠る時間はかなり削られるでしょう。そうなると、体力的・精神的にかなりキツイです。

歯科医師に作業単価を上げるように交渉しても、安い商売敵にとって代わられるだけです。

技工士どうしが単価の安売り合戦でお互いに首を絞めあってます。

技工士にうつ病患者や自殺者が多いのはうなずけます。

歯科医師がせこい!

せこい人のイラスト

私は歯科医院に勤めておりました。学校を卒業してすぐの歯科医療現場での仕事。しかも、一人しか在籍しておりませんので、技術を習う人もいませんでした。

そんな環境下で更に追い討ちをかけたのが、先生の金への執着心でした。

人間、誰しもお金は欲しいと思います。

もちろん私もいっぱい稼ぎたいですし、それでイイ生活も送りたいです。

歯科医師の皆が皆、金の亡者とは言いませんが、私の周りの技工士はそれを感じていたようです。

こんなこと言うと批判あるでしょうが・・・歯科は直ちに命に関わる治療ではないですからね。

口の中を触られて「治療費は○○○円です」って言われても、「そんなもんかな・・・」って、なりますよね。

”ぼったくり”とまではいいませんが、判りにくいですよね。

そんなケチケチな歯科医がいる反面、なかには技術面・人間性においても一流の先生はいらっしゃいます。

実際、私が通っていた専門学校で教壇に立っておられた歯科の先生方の中には、自分で歯科医院を経営する傍ら大学で教壇に立つ先生がおられました。

そういう先生は従業員(ここでは技工士や歯科衛生士、事務員)への配慮もピカイチで、歯科医院も患者さんが途切れませんでした。

医療現場といえども商売ですからしょうがないと思いますが、

材料代を削り、人件費を削り、それでも良いモノ(ここでは歯につめる歯科技工物。例えば俗に言う銀歯など)を作れ、となると・・・

眠る時間を削って必死に頑張っている状況下で、金への執着心を露にする歯科医の言動は、自分の技術の向上心とか、仕事への意欲を確実に削ぎ落としていきました。

『志』の漢字のイラスト

本当に辞めてよかった・・・

ある日、気づいたら眠る時間があるにも関わらず眠ることができない状態に陥りました。

今、思えば ”うつ” 状態になっていたのかもしれませんが・・・

さらに三大欲求の食欲、性欲も削がれていったように思います。

食事をとっても美味しいと感じることが少なく、性欲というか人との関わりも絶つ状態に追い込まれていきました。

そんな生活が2年続きました。

友人と会っていた時に『ため息が多いな〜』と、よく言われていました。

もちろん自分では全く気づいてませんが、かなり精神的にマイっていたのでしょう。

あのまま技工士として働き続けていたらと思うと・・・・ゾッとします。

実際、私の同窓生は半分は辞めたと思います。歯科技工士の専門学校は特殊ですので、先生の目が行き渡るように1クラスが大体20から25名前後になっています。辞めた人数が半分といえば少ないですが、離職率は高いです。

とはいえ歯科医療がある以上、現在も技工士を仕事にされている方はいらっしゃるわけですよね。

最近は安い中国製のものが出回っているようです。一時期テレビで報道されてましたが、人間の体内に入れない方がよい材料(安価なモノ)を使用して作られているようです。

技工物にまで中国製の波が・・・

恐るべし、中国!

それでも歯科技工士の未来は明るい!?

専門学校に通っている時の担任との会話↓

『そのうち、歯も試験管の中で培養できるような技術が生まれると思うよ。そうなった時は、技工士の仕事はほとんどなくなるね』

試験管、フラスコ、ビーカーの写真

確かに医療技術はどんどん発達すると思います.

当時は遠い先の話だと思いながらも技工士を目指し日々勉強しておりました。

それから約十数年経ち、確かに技術は進歩しています。

その中でも気になったのは”3Dプリンター”ですかね。

これだとデータさえあれば歯の形を細かく再現できます。技工士がワックス(俗に言う蝋”ロウ”です)を使って手作業で再現しなくても済むのです。

技工士の友人に聞いてみた! 
【2018年現在】最近の歯科技工士業界は?

友人によると、あと数年もすればスキャニングして治療する歯の型を取れるようになるらしいです。

昔よりも早く帰宅できるように業務を短縮できているとか・・・

今の時代、業務内容を改善しないブラックな業界には若い人は入ってこないようです。

どの業界も人材不足ですね。

実際はそれが歯科技工の現場で使われているかは確認はできませんが、導入されれば、より良い技工物ができると思われます。

最後の仕上げは人間の手が必要でしょうから、技工士の仕事は【ゼロ】にはならないと思いますが・・・

近い将来、いろんな技術の進歩によって技工士の仕事環境が改善されることを期待します。

テクノロジーをイメージしたイラスト

今回、私の経験から技工士の職について意見させて頂きました。

参考になれば幸いです。

以上、歯科技工士には二度と戻りたくない”だりーが”でした。

今でも技工士で働く夢を見ます。起きた時、「夢だった」とホッとします。